白猫の部屋

塗り絵など趣味についてのブログ 映画や読書の感想

アイ トーニャ!

人生にはそれぞれの真実がある
人生は勝手に転がってゆく

f:id:Ninax:20190509165842j:plain

トーニャが最後に語った言葉
人生、輝かしい時は一瞬で、転落し始めたらどうにもならないという事実
特にトーニャのように労働者階級で親族にマシな人間がいない場合、それが如実で転落したら自分を見せ物にしたり何でもするしかないというキツい現実が待っている。
これがセレブのお嬢様だと適当なところで金持ちに嫁いだり、なんちゃって事業でもするんだろうけど…

トーニャの通うスケート教室の子供達なんか毛皮のコートを着て来ることが当たり前で、トーニャは父親が仕留めたウサギで毛皮のコートを作るのがやっとの家庭💧
それは大人になっても変わらずで、衣装を買うお金がないから自分で全部手作りして大会に出場していた!しかし、その衣装も審査員にバカにされてしまう😢

更衣室に帰って審査員に対する不満と衣装が買えない不満をコーチにぶちまけるトーニャ
それを聞くゴージャスな毛皮を着たコーチのダイアナ…嫌味か!
もう富裕層と貧困層の絶望的なまでの壁をこのシーンで感じてしまう(-_-;)

母親ラヴォナも典型的な毒親で暴言、暴力の虐待は当たり前
娘を励ましに来たのかと思ったら、ボイスレコーダーを仕込んで事件のことを聞き出そうとするゲスっぷりを発揮!母性本能やら母性愛なんざ幻想だと思い知らされる自分勝手な女です。

そんな毒親に育てられたトーニャは、DV男のジェフと結婚します。そして、その友達のショーンもどうにもならないクズ
→映画だとこの男がナンシー・ケリガン襲撃事件の主犯ということになっています。

登場人物でまともそうな人間はコーチのダイアナぐらい…

人付き合いをしていくと、なんとなく自分のマイナスな部分が似ている人と会うことがあります。
そして、そういう人間とは馬が合うことが多いはず。でも、そういう関係は悪い部分を改善することなく、事態をますます悪化させることもあります。
ナンシー・ケリガン襲撃事件はその集大成のような気がします。バカが集まったらある意味、最強!

親から受け継いだDNAもさることながら、産まれた環境がマイナスだとまともな人間すら選べなくなるのか。プラスな経験が多いと自分にプラスになる人間しか選ばないけど、トーニャのようにマイナスな経験が多いとそれを共有して共依存のような関係しか築けなくなる。そして、ますますドツボにはまる。しかも、アルコールやタバコの依存症のようになかなか治らないから厄介。
母親と娘の関係に焦点を当てると、ただのおバカなフィギュアスケーターの物語とは言いきれないです。

今では当たり前になったホップな演技と曲を取り入れるなど、トーニャの先見性にも感心させられます。彼女のスケートへの情熱と才能は本物だったはず。
結局、自分のまわりにゴミを置くようなことをして、才能も将来も腐らせてしまいました。人間関係について考えさせられるいい映画だと思います。

とりあえず、DV男と毒親はさっさと断捨離しよう!