白猫の部屋

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映画「カノン」はアダルトチルドレンの物語①

久しぶりに泣いた邦画😢

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育ててくれた祖母が死んだ後、三姉妹が自分探しと母親の過去を知る旅に出るという話
話の内容はシンプルだけど、この映画の面白いところはアダルトチルドレンの要素が所々にあるということ

アルコール依存症の母親に育てられた三姉妹それぞれにアダルトチルドレン(AC)の特徴があり、そのせいで生きづらさを抱えています。

長女(紫)はとにかく謝る性格、謝ることで母親をなだめ、妹達を守りながら成長しました。その悪い癖が出てDV夫の言いなりになっています。夫は妻の失態をノートに書かせて自尊心を踏みつける陰気な調教をしていました(会社の反省文のようなもの)
この夫も実はACではないかと疑っています。ノートに書かせる嫌がらせも親にやられたことでは?ヒステリックで過干渉な母親か父親に育てられた感じがします。最後にタクシーを追いかけてくる姿も尋常じゃない(°Д°)!
こういうDV男の厄介なところは奴隷になってくれそうな相手を見つけることが上手なところですね。ACを抱える女性はいいカモにされやすい典型的な例だと思います。

次女(藍)は教師をしていて彼氏もいて一見、順風満帆に見えますが、火事の時のトラウマに苦しめられています。火事になったときアルコール中毒の母親を見捨てようとしたこと、そんな薄情な自分は幸せになる資格も価値もないと思い込んでしまっています。

三女(茜)は祖母の旅館を継いだもののストレスからアルコールに頼るようになってしまいます。お姉ちゃん達は好き勝手して、自分は旅館を押し付けられて損をしていると思っています。終盤はDV夫から長女と子供達を助け出すなど、祖母譲りの肝っ玉っぷりをみせてくれますw

姉妹の両親もアダルトチルドレン
母親は仲居をしていて旅館の専務をしていた父親とデキ婚しました。家庭は貧乏で愛情も注いでもらっていたような様子もありません。
父親のほうは母親(三姉妹の祖母)の先回りやレールを敷いた人生を歩まされていることに悩んでいるようでした。そのせいで無気力で少しでも理解のある異性に依存しやすい人物に思えます。案の定、他に女をつくってその相手と入水自殺しようとします。
祖母は父親の絵の才能についても酷評し、母親についても葬式で止めを刺すようなことを言ってしまいます。旅館の女将をやっているだけあって性格がキツい!
旅館の跡取りとして育てられたせいか、旦那がいないから力んでしまっていたのかわかりませんが、人の気持ちを理解することが苦手で自分の考えを押し付けてしまうところがあります。
三姉妹を育てたり、アルコール依存症の嫁の面倒をみたりと面倒見のいいところもありますが、このアダルトチルドレン物語の原点は祖母だと思っています。
父親を立派なAC男にした張本人で、裏切られた母親を慰めるどころかダメ出しして突き放した人間です。後から優しい言葉をかけられても嘘くさくて信用できないし、簡単に助けを求められないと思います。母親が孤立するきっかけを作ったのも祖母ではないでしょうか。アルコール依存症になった母親と育児放棄された子供の面倒、結局は今までしてきたツケを払わされただけだと思いました。

う~ん、親子関係は難しい(´д`|||)