白猫の部屋

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「万引き家族」と家

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家族とは何かと考えさせられる作品だった…なにより貧困家庭や虐待の描写がエグい!

①とにかく家が汚い
物が多すぎる。家族が多いとはいえ全部、使っているのか謎。しかも、汚い(*_*)
庭木が茂って昼間でも暗い。ナメクジがいそうなジメジメ感。風呂もアカとカビだらけで何か出そう…。てか、貞子も住んでるでしょ!

②趣向品大好き
大量の空き缶と競馬新聞、酒、タバコ、ギャンブルに目がない。大人3人がそれを嗜んでいたら月いくらかかるのやら。タバコと酒代だけで月3~4万は消えているのでは?

③ダメ男、ダメ女家系
治も典型的なダメ男だが、ユリの母親も典型的なダメ女。母親より女を優先する毒親感が漂う。ユリの母親みたいなタイプが若くしてデキちゃった婚をして、DV男を連れ込んで子供を虐待する。アパートの廊下の積み上げられたオモチャやゴミが生々しい。テレビに出てくる子供を虐待死させた住民のアパートもあんな感じだから、ユリの今後が心配…

④道徳観が欠如している
貧困で万引きをするから仕方ないのか、とにかく理由が滅茶苦茶。駄菓子屋のジィちゃんにバレた時の言い分が「ユリにはまだ早い」。そんなんだから地域のコミュニティから排除されて孤立すんのよ( ; ゜Д゜)!だれかに助けを求めることもできない窮地を招いているのは自分自身だと気がつかない。

万引き家族」を観ていて子供の頃、遊びに行った同級生の家を思い出していました。子供にとって誰かの家に行くのはちょっとした冒険でワクワクしたものです。
同級生の中で“難アリ”な子の家は「万引き家族」のように雑然とした家が多かったです。猫を多頭飼育して家がボロボロだったり、親もなんか変だったり…正直、また行きたいと思うような家ではなかったです。
逆に優等生だったり、クラスの人気者の家は綺麗なことが多かったです。兄弟が多くて物も多い家でも、そこそこ片付いていて「万引き家族」のような“どんより感”はなく、アットホームな感じがしていました。
しかし、モデルルームのように綺麗でもハリゴテ感のある冷たい家もあります。そういう家は両親が立派な仕事をしていても、道徳観が欠如していました。子供の友達をあからさまにランク付けする、親の仲が悪い、黒い噂が絶えないなど裏では問題だらけの家庭が多かったです。

子供の頃は家に興味がなかったけど、大人になると家の雰囲気と住民は密接に繋がっていることに気づかされます。家相や風水も案外、バカにできない(^_^;)
是枝裕和監督の「万引き家族」は子供の時に体験した嫌な家庭のザワザワ感を思い出す作品です。監督の人間観察力には脱帽させられます。